入社してからさまざまな分野の業務に携わっています。現在のメインは社外向けソフトの作成・社内インフラの管理です。社外向けソフトの仕事に入ったのは1年ほど前なので、実績としてはまだ少ないのですが、製造業向けの制御盤、それを制御するためのPLCソフトを作成しています。

製造業で使う装置には、PLC（Programmable Logic Controller／プログラマブル・ロジック・コントローラー）という入力・処理・出力をコントロールするソフトが不可欠です。接続する装置や設備はそれぞれなので一からお客様のご要望を聞き、どのような挙動が出ればそれを実現できるかを考え、実際に自分で組み上げて試運転するところまでをやっています。

直近で手がけたのは、風向風速のデータを監視して自動で塗装設備を制御するシステムです。お客様より「今は風向風速の現在値データを人が確認して塗装できるか判断している、これを自動で行いたい」というご要望があり、制御盤とプログラムを作成して実現させました。実際にシステムが完成し、プログラムが自分の思った通りに動くと達成感があります。

社内インフラの管理も並行して行っています。具体的には社内サーバーの管理とメンテナンス、従業員が使っているPCのセットアップなどを担当しています。お客様との納期がある社外ソフトの仕事が主なのでそちらを優先しつつ、社内インフラでトラブルがあれば随時確認・対応する感じです。

どちらも担当するのは大変に見えるかもしれませんが、私としては結構楽しいですね。いろんなところでいろんなものに触れられる、見ることができるというのは自分にとって「良い体験」だと考えているからです。

入社して5年ほどは今と違う業務を担当していて、そのときは主に船舶の発電機や電気設備の点検をしていました。初めて行った現場は広島県の造船所に停泊していた全長約200m・総トン数約4万トンの船で、350kwクラスの発電機が3基あり、圧倒されたのを覚えています。

そのときは発電機の主回路や、過電流があると停められるACB（気中遮断機）を点検した記憶があります。大変というより「面白そう」という興味のほうが先に立っていました。その後も船舶のクレーンを動かす電気設備をチェックしたり、船舶の横向き推進力を制御する装置（バウスラスター）の制御盤の点検に携わったりしました。

今もソフトの仕事をしながら点検作業を手伝う機会がありますが、それも私自身はとても楽しんでいます。ACBなどは動作点検中に構造が分かるので「こう動くのか、巧くできているな」と思ったり、注油や給油のメンテナンスでも間近で機械の動きが見られるので面白いんです。

出身は広島の商船高専の電子制御工学科です。進学するときは「鉄道系の会社に入りたい」と思って高専を選びました。下の年次では「すでにあるものに改善や追加を施す実習」、上の年次では「一から自分たちで作る実習」があり、ここで自分は「一から作るより、電気系のメンテナンスに向いているのでは」と感じるようになりました。

ボルテックを知ったのは、学校の先輩で就職した人がいたからです。面接は2社受けました。一方の製造系企業は工場勤務だったので、同じ場所でメンテナンス業務を担うことになります。それに比べてボルテックは船舶や陸上などフィールドが幅広く、扱う機械や電気設備が多様だったので最終的にこちらに入社しました。

ボルテックは出張が多いので、いろんな場所に行ってみたい人には向いていると思います。私も港湾がある県にはほとんど行ったのではないでしょうか。コロナ禍前には中国やシンガポールにも出張しました。発電機、制御盤、電気設備などのさまざまな機械、船舶であればクレーンやバウスラスターなどの特殊な設備にも携わることができます。いろんなものに触れて経験を積める会社だと思います。

また、フィールドが広い分、豊富な知識と経験を持った先輩と一緒に働けるのも大きな特長です。今はソフトの仕事がメインですが、上司や先輩はIT・機械・電気のどの分野にも精通しているので技術者やお客様とも細かな打ち合わせができます。これは自分にはまだまだ足りない部分です。

将来は、船舶の一部ではなく船舶全体を制御するような設備、たとえばエンジンコントロールルームに関わるような領域で仕事ができたらいいなと思います。もちろんそのための知識や技術は必要なので、さらに勉強しながら自分を高めていきたいと考えています。